ネットワーク状態に基づくRaft選挙パラメータの動的最適化
7月 15, 2024·,·
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塩崎功也
中村純哉
概要
RaftはState Machine Replicationを実現する合意アルゴリズムである.Raftのサーバはリーダ,フォロワ,候補者のいずれかの役割を担う.リーダはクライアントのリクエストを受け取り,その処理順序を決定してフォロワに複製する.Raftではハートビートを用いてリーダの故障を検出し,選挙によって新しいリーダを選出する.リーダの故障から新リーダが選出されるまでの期間,リクエストの処理が保留されるため,応答性能が低下する.このサービス停止時間には,ハートビートの送信間隔や選挙タイムアウトなどの選挙パラメータが直接的な影響を与える.しかし,最適な選挙パラメータの値は明らかではなく,不適切な値はサービスの可用性と応答性能の低下を招く.そこで,本研究では選挙パラメータの最適な設定方法を明らかにし,ネットワークメトリクスに基づいて,これらのパラメータを動的に最適化するDynatuneを提案する.評価実験の結果,DynatuneはRaftと比較して故障検出時間を77%,サービス停止時間を47%短縮し,提案手法の有効性が示された.
タイプ
収録
マルチメディア,分散,協調とモバイル シンポジウム論文集, pp. 764 - 772